「貴重な内容を永く保存させるため綺麗な状態にしておきたかった、満足です。ありがとう。」
大阪府にお住いの笠坊様からのご依頼で「漢和対照 妙法蓮華経」の修復をさせて頂きました。
笠坊様は、古書店で購入したこちらの本で妙法蓮華経の書写を72才から始められました。
妙法蓮華経の書写をすることで笠坊様には大変色々な変化が現れたそうです。
漢文で2回、和文で1回の書写を行い和文2回目の書写の半ばでとうとう本がボロボロになってしまったとのこと。何度も書写した大変思い入れのある本を綺麗な状態で残したいとの思いで弊社にお問い合わせ頂きました。
修復前
元々が古書店で購入した古書のため経年劣化が進行しており、革製の表紙がレッドロット(革が劣化し表面が粉上にボロボロ崩れていく状態)になっていました。
製本が各所で割れており、かつ表紙寸法も本体と合っておらずカバーに入れる際には端を折り曲げて入れなければならない危険な状態でした。
修復方法
- 製本を一度解体し、糸綴じをし直しました。
- 表紙はお客様からのご要望と元のものが劣化がひどく再利用しても保存に適さない事もあり、新調して製作しました。
- 背表紙については思い入れのある本のため切り抜いて、新しい表紙に埋め込んで再利用しました。
- 製本の際は、使用状況が書写するため出来るだけ開いて使用されるとの事ですのでクータ(本体と背表紙に間につける筒状の紙)を入れて開きやすいように製本し直しました。
修復後
笠坊様より「貴重な内容を永く保存させるため綺麗な状態にしておきたかった、満足です。ありがとう。」とのありがたいご感想を頂きました。 その後、修復して元通りに開けるようになったこの本で、また書写を再開されたとの事です。 |