「子供・家族に額の貴重なことを話せる機会がありました。お金をかけて修復したことで この家の大切なもの、価値がある物と思ってくれました。」
大阪府のS様からご依頼をいただき富岡鉄斎の書を修復させて頂きました。
30年間破れたままになっており、修復のできる会社を探されておりましたところご縁があり弊社を見つけて頂き、修復のご依頼をいただきました。
修復前
字が書かれている箇所が大きく破れており、そのまま壁等にかけると、破れた箇所がめくれ上がり更に破れが酷くなってしまう危険な状態でした。
修復方法
- 額を解体して取り外し、まず本紙のみの状態にしました。
- 刷毛などを使ってドライクリーニングを行い、滲み止めを施した後、これ以上破れや剥離が起きないよう作品の上から和紙を張り付け、作品を保護する表打ちを行いました。
- 浄水で洗って汚れを落とし、元々張られていた裏打ち紙を剥がしました。先ほどの表打ちを取り外した後、新たに裏打ちを行いました。
- 乾燥後余分な裏打ち紙部分をカットし、準備しておいた下地に貼り込みました。また、本紙の周囲の金紙や裏面の布も新調しました。
- 元の通りに枠を取り付け、新しい金具と紐を取り付けました。
修復後・御感想
「破れたときから30年間修復したいと思っていました。文字の力強さ、安定した勢いが何とも言えず好きで、破れていても処分できずにいました。これからも大切に玄関にかけて見上げることにします。本当にありがとうございました」
「子供家族に額の貴重なことを話せる機会がありました。お金をかけて修復したことで、この家の大切なもの 価値がある物と思ってくれました。」と大変嬉しいお言葉を頂きました。