西宮太神宮 神像札賦与免許状他 ８点レプリカ／
えびす宮総本社　西宮神社様

「貴重な資料が復元され、喜んでおります。」

商売繁盛の福の神「えびす様」をお祭りする総本社として、全国からひろく崇敬を受けている西宮神社様から古文書レプリカ製作のご依頼を頂きました。

えびす様といえば商売繁盛の神様として人気が高く全国各地に分社があります。しかし、この度の東日本大震災の津波により宮城県南三陸町の分社「志津川西宮神社」も被害を受け、代々伝えられてきた古文書（えびす様の書かれたお札の配布を許可する「西宮太神宮神像札賦与（しんぞうふだふよ）免許状」）が流失してしてしまいました。
西宮神社信仰の貴重な史料を何とか復元したい、との思いから、西宮神社の吉井良昭宮司様より弊社にレプリカ製作のお問い合わせを頂きました。

レプリカ製作工程

通常、レプリカを製作する場合は原本をスキャニング、若しくはレプリカ用に撮影したデータを基に製作しますが、今回はその原本が失われていますので、通常の方法では製作が不可能でした。
しかし偶然にも吉井宮司様が前年に調査のため同地を訪れ、今回流失した古文書の資料写真を撮影されていましたので、この資料用の写真データを基に製作させて頂くことになりました。

	レプリカ製作元画像 資料用に撮影された写真のため、画素数・撮影時の光や影などの問題でそのままレプリカ製作に使用するには適さず、文字や朱印などの情報だけを抜き出して和紙に印刷し手作業で経年加工を施す製作方法をとりました。
	補正・情報の抜き出し 斜めに撮影されている写真を真上から撮影したように補正し、文字や朱印、シミの位置などの情報を抜き出します。
	画像処理・和紙出力 抜き出した文字や朱印、シミの位置などの情報を画像処理して和紙に出力します。 出力は参考資料としてお預かりした別の免許状を参考に紙質や紙厚を合わせた和紙に、インクジェット処理を施して出力しています。
	色染め・シミの再現 原本の古色感を出すため出力した紙を染料で薄く染め、元の位置にシミを再現します。
	古色加工・折り 元の写真を参考に全体に揉み・シワ加工を施します。 また原本の質感や風合いを再現するため、日本画に使われる顔料等を用い全体に古色・経年加工を施します。巻き折りで収まるよう折りを施し、折り目にも経年加工をしています。

完成

	写真と吉井宮司様の記憶を参考に、出来るだけ元の質感や風合いが甦るよう製作致しました。 納品時には工房見学を兼ねて西宮神社から吉井宮司様をはじめ職員の方々も弊社にお越し頂き、完成したレプリカをご覧頂きました。貴重な資料が復元されたことをお喜びになられていました。
日本経済新聞（平成23年11月6日付）に西宮神社様の記事が掲載されていました。