「あまりにも状態が悪かったため正直どこまで直るのか不安でした。」
「その完成度の高さに感動しました。」
埼玉県の常徳院 神田様より経典と掛軸の修復をご依頼頂きました。
ご感想を頂戴しましたので、写真とともにご紹介させて頂きます。
経典 金光明最勝王経
江戸時代中期頃の経典でしたが、過去に雨がかかっていて腐れとカビのため全く開かない状態でした。貴社の修復技術を知りわらにもすがる思いで修復をお願いいたしました。
数ヵ月後、紙のかたまりのようになっていた経典がみごとに折れ本となって帰ってきました。破れていた箇所が「漉きはめ」の技術によってフラットに修復されていて、裏打ちのように経本の厚みが増すことなく仕上がっていました。また表紙も緞子の布をそのまま修復して頂き、当時の物そのままに生かして頂けました。
修復前
修復後
掛軸 西有穆山禅師書 三幅
100年前、曽祖父から受け継がれてきた大切な掛軸でしたが、三幅とも雨染み・虫食い・腐れが入り、特に「宝珠」の本紙は中央から破れが入りバラバラになっていました。
修復をお願いしたものの、あまりにも状態が悪かったため正直どこまで直るのか不安でした。しかしながら修復を終えた掛軸を見た時、その完成度の高さに感動しました。
あれだけ傷んでいた本紙が「漉きはめ」によって1枚の紙によみがえり、「本紙と合うように」とお任せした表具の仕立ても趣のある落ち着いた雰囲気に仕上がっており大変気に入った次第です。
本当に修復してよかったです、ありがとうございました。今後とも長いお付き合いをさせていただければ幸いです。ありがとうございました。
修復前 |
修復後 |
漉きはめ修復技術についてはこちらで詳しく紹介しております。