自宅でやってはいけない紙資料の応急処置
紙資料が破れたり汚れたりした際、「とりあえず何かしなければ」と応急処置をされる方は少なくありません。しかし、その処置が後の修復を難しくしてしまうケースも多く見受けられます。今回から状況別に注意が必要な応急処置を紹介していきます。
①資料が破れた場合
紙資料が破れてしまった際、最も多く行われる応急処置がセロハンテープを貼るという方法です。手軽で身近なため、つい選ばれがちですが、注意が必要です。
セロハンテープは、時間の経過とともに
・黄変する
・粘着剤が硬化して紙自体が劣化する
・可逆性がないため再修復が非常に難しくなる。
といった変化を起こします。
また、可逆性がなく再修復が非常に難しくなるため、セロハンテープは長期保存に適しておりません。将来的に除去を試みる際、紙そのものを傷めてしまう可能性があります。
特に、長く残したい資料や、絶版・一点物の紙資料にはセロハンテープの使用は避けてください。
望ましい処置
長期保存を目的とした資料には、でんぷん糊と和紙を用いた補修が望ましいです。
可逆性がある為、将来的に再修復が必要になった場合でも、紙への影響を最小限に抑えられるからです。ただし、すべての紙資料にこの方法が適しているわけではなく、紙質や用途によって判断が必要になります。
市販の補修用テープについて
「補修用」として販売されているテープでも、粘着剤自体がセロハンテープと同様に除去することが困難です。
粘着処置である以上、将来的なリスクがあることは理解しておく必要があります。
最後に
手軽に行われがちな処置は、再修復を困難にし、修復できたとしても修復費用が高額になってしまいます。どうかご注意ください。
次回は、②資料を濡らしてしまった場合についてお話していきます。