一つしかない原本を大切に活用する為に
このような場合にレプリカをおすすめしています
- 原本の劣化が激しく、展示環境に耐えられる状態ではない
- 1部分のみ展示したい
- 一般の方に触って頂ける展示物を作りたい
- 記念品を制作したい
- 写真等の記録を元に1から復元させたい
レストアの強み
原本の材質を調査した上で、工房内で材料から製作します。
内容をコピーするだけでなく、資料の古色・経年変化も加工によって忠実に再現します。
原本の修復も同時に行え、コストの削減が期待できます。
レプリカ製作工程
大阪大学適塾記念センター様所蔵の緒方洪庵関連史料のレプリカ製作33点を弊社で手掛けさせて頂きました。特別にご許可を頂きましたので、そのうちの1つの製作工程をご紹介致します。
大阪大学適塾記念センター様におかれましては掲載のご許可を頂きましたことを心より感謝申し上げます。
1.画像の取り込み
お預かりした原本をスキャナーで読み取りパソコンに取り込みます。史料によっては原本の持ち出しや貸し出しができないものもありますが、そのような場合は
現地でレプリカ製作用の写真撮影を行い、その撮影データから製作することも可能です。
(別途 出張撮影費が必要になります)
原本写真撮影
スキャニングしてパソコンに取り込んだデータの状態
比べて見ると写真とスキャンでは色調が大きく違うことがわかります。
またパソコンのモニター上で見る画像と実際に紙に印刷して見るのでは見え方が変わるため、
それを紙に印刷した時に原本と同じに見えるように調整していきます。
2.画像処理・テスト印刷
原本の紙質を調べ、その質感や風合いが再現できる紙を選びます。
取り込んだ画像をそのまま印刷しても、原本とはかけ離れたものになるため色調や文字の濃淡などを調整しテスト出力を繰り返すことで原本に近づけていきます。
3.色校正
テスト出力を繰り返し原本に近くなるように調整したデータを和紙に出力し、お客様にご確認頂きます。レプリカの仕様によって、この校正作業が1回から数回にわたって行われます。
現地でお客様と確認して打ち合わせをすることでより原本に忠実なものにしていきます。
レプリカの見え方は展示環境、明るさや光源の色調、光の入り方などによって、同じものでも異なった色合いに見えます。特に博物館等の展示用の場合は出来るだけ展示場所、もしくはよく似た環境での校正作業を行う方が望ましいです。
(お客様の要望や仕様によっては校正作業がない場合もございます)
(校正回数ごとに別途校正費が必要です)
4.本出力
お客様に色校正を見て頂き、出てきた要望や修正箇所を調整・修正し本出力を行います。
レプリカ製作の際にはできるだけ原本の状態を忠実に再現するため、原本に紙のつなぎ目がある場合はつなぎの部分で分割して出力し後から同じようにつなぎ直します。
5.仕立て作業
本出力したものを原本と同じ状態に仕立てていきます。レプリカの仕様によって様々ですがこちらの史料の場合はできるだけ同じ状態を再現して欲しいとのご要望でした。
そのため手作業で虫食いの穴を同様にあけ、原本に裏打ちがされていたので、同様に裏打ちを行いました。
6.古色加工・仕上げ
原本と同様に仕立てたレプリカに手作業で古色加工を施していきます。印刷だけでは出ない原本の時代や風合いを手作業で汚しや傷みを加えることで再現します。
7.完成
原本と同じように折り目を入れ検品して完成です。