資料の種類・状態によってその手段・方法は多岐にわたります。弊社では、数くある修復方法の中から一つ一つ資料に最も適した方法を選択しています。
主な修復方法
裏打ち修復
和紙や布を資料の裏に張って丈夫にする古来からの技法です。しわを伸ばす効果も期待できます。資料一つ一つに最適な紙、糊を用いて行いますので、和紙だけでなくポスターや賞状等様々な資料に対応しています。
漉きはめ修復
資料と同質の紙の原料を資料に流し込み、虫食いや欠損部分にのみ新たな紙を形成します。資料の状態が酷いものほど効果的です。欠損部にのみ新たな紙を形成するので、厚みが変わったり両面ものの片面が見えなくなることがありません。
漉きはめ(すきはめ)修復の詳細はこちらをご覧ください。
手直し修復
風合いを似せた補紙を作り、欠損部分にあてがって修復する技法です。裏打ちや漉きはめとは違い、水分をほとんど使用しないので色落ちの危険性が高いものに効果的です。欠損部一つ一つに補紙を作製する為、時間とコストがかかります。
洗い・シミ抜き
資料についたスス、シミ、カビなどの汚れを洗浄します。作品に影響を与えない程度に処理する為、汚れの性質によっては薄くはなりますが除去し切れないこともあります。
補彩・補色
お客様の希望により部分的に色をつけて欠損部が目立たないようにします。あくまでも目立たせ無い為の処理になりますので、完全に消えてしまった絵柄を復元することはできません。