特別にお客様にご許可を頂き古文書の修復工程をご紹介致します。
ご協力頂いたお客様には心より感謝申し上げます。
※修復工程全体のご紹介のために部分的に異なる資料の写真を使用しております。
1.修復前
全体に虫喰いによる被害が見られ、閲覧が大変しにくい状況です。
保管においても劣化が進行していく恐れがある状態でしたので、閲覧・保管がし易くなるよう修復させて頂きました。
2.修復前調査・写真撮影
修復に掛かる前に、資料の状態・損傷などの記録、写真撮影を行います。
3.解体
資料の綴じ糸・こよりを外し表紙・見返し・本紙等に解体します。
4.ドライクリーニング
本紙のクリーニングを行います。やわらかい刷毛を使用し埃や汚れ等を取り除きます。
5.滲み・剥落止め
ドーサ液を塗布し、絵具の滲(にじ)み・剥落(はくらく)止めを行います。
6.本紙の漉き填め修復
欠損や虫損部分に本紙と同質の和紙原料を流し込み補修します。 詳しくはこちらをご覧ください。
7.化粧断ち
8.綴じ
修復前調査時の記録に基づきページの順番を揃え(丁合せ)、こよりで綴じます。その後、修理をした表紙も合わせて糸で綴じます。糸も修復前の資料に合わせて近い色、材質のものを使用しています。
9.修復完成
ご要望により保存ケースを作成して、その中に納めて納品致します。
保存ケースについてはこちらをご覧ください。
修復前後比較
表紙
本紙